das Grau −ハイイロ−

作者は機動戦車レオで一世を風靡した(と思う)スパロゥ様。
のっけから主題歌バックにHBMの空挺シーンをかます超演出で度肝を抜かれた。
空挺シーンにときめかない男子なんていません!
音楽に絵をあわせるのは一度やったことあるんだけど
脳みそが軽い音を立てて弾けるほど面倒くさいので
センス、素材もさることながらこの労力を払った事実に敬服。


最初からハードなシーンから始まるが、全体のノリは軽め。
特に第三中隊の面々は戦場にしてはだいぶ緊張感が足りないが、
そこは初実戦の隊長の緊張振りや、
廃墟で一瞬見せたリーナのしおらしいところが対比となって
経験者ゆえにいい意味で肩の力が抜けているのだ、とちゃんと思わせてくれている。
これはこういうリアル志向の現代戦劇では非常に重要だと思う要素だ。
作品そのもののノリはどうあれ、不謹慎さを感じさせないのは大事。


背景設定も現代の情勢と現代編の始まりの地というべきカルラエルを絡ませつつ、
きっちり「年表を進めて」いて流石と唸ることしきり。
軍事や政治に興味のないプレイヤーでも台詞だけで概ね理解可能な範囲に留めてるのも良。


戦闘バランスも簡単だけど一話目なら妥当なところ。
むしろデータ的にタイトになりがちな現代編なので好バランスといえる。
強いて言えば5ターン内に全滅させたらボーナスとか欲しかった気もするけど、
これは贅沢かな。


ともあれ今後に期待できる良作でした。
現代編もこれを機に増えていくといいなぁ。